社会的投資でARUNをご存知な方はきっとRoot Capitalをご存知な方も多いのではないでしょうか。今回は歴史の長い社会的投資ファンド、Root Capitalをご紹介します。

 

組織概要

Root capitalは世界的に有名な非営利組織、社会的ファンド団体で1999年にWill Footeによって設立されました。アフリカや中南米の貧困や小規模な環境被害の地域における、コーヒー、カカオ、野菜・果物の農業事業者を対象に、事業資金の融資・金融教育などを行い市場へのアクセス促進を行っています。

資金源の観点から見ると、「慈善寄付金」を全資金とするAcumen Fundと少々似ており、Root Capitalは約7割がグラント、そして融資の利子や投資などで運営されています。そこから農村の小規模な農家・農業事業者に融資・金融教育・包括的な市場形成を行い、社会と環境に及ぼすインパクトを最大化することを使命としています。

Root Capitalが社会的インパクト投資の中で非常に有名な理由は、その長い歴史からくる知識、経験にあります。2000年にイギリスが世界初の社会的投資タスクフォースを結成する前の1999年に、Root Capitalは社会的投資ファンドとして初めての融資を始めていたのです。1999年以降に融資を初めてから、530を超える事業に、総額約740億円以上の融資を通して支援してきており、延べ50万世帯に社会と環境に前向きなインパクトをもたらしています。

 

サービス内容

マイクロファイナンス同様、銀行や商工ローンなどにアクセスできない農業事業者を対象に、Root Capitalは約500万円から2億円の融資を通した支援をしています。ローンは、1) 短期貿易借款と収穫前ローン、そして2) 長期固定資産ローンの二種類に分かれています。

まず一番目の「短期貿易借款と収穫前ローン」は、農作物の成長に必要な肥料の購入に充当することを目的とし、一年以内に返金するタイプのローンです。

二番目の「長期固定資産ローン」は、農機具やインフラ整備などの大きな投資を要することを目的とし、5年以内に返金するタイプのローンです。

 

Root capitalには二つの融資ポートフォリオがあります。

1.持続可能な貿易ファンド(Sustainable Trade Fund, STF)

カカオやコーヒー豆、ナッツなどの天然物を輸出する農業事業者に融資を行い、事業のスタートアップから成長に至るまでを見守ります。

2.フロンティアポートフォリオ

とうきび、米、アワなどの必要不可欠な穀物類の輸出をする農業事業者に融資を行い、食糧安全保障を掲げ、インパクトの最大化を目指します。

 

融資先の選定

融資先を選定するには以下5つの要素が考慮に入れられています。

  1. 信用リスクの有無
  2. 長期的に見た社会的・環境的インパクトが考慮に入れられているか
  3. 成長の潜在力の有無
  4. 既存のサプライチェーンやステイクホルダーとの連携強化
  5. 既存の顧客のニーズを満たしているか

 

実例

Fruiteq(フルーテック)というフェアトレード認証・有機認証を受けたマンゴーを輸出する事業がブルキナファソにあります。大半をブルキナファソから、そして隣接国であるマリや、コートジボワールから計830事業を選定しマンゴーを調達し、ヨーロッパのスーパーマーケットなどを対象にプレミアム価格で売っています。

現地の商工ローンに二度断られてからRoot Capitalの融資にアクセスし、2010年に約1800万円の融資の支援を受けました。この融資により、輸出に適した質の高いマンゴーを従来の三倍以上も調達でき、ヨーロッパでの売り上げも融資前の4370万円からたった一年で三倍以上の約1億5000万円に成長。翌年の2011年には二度目の融資、4500万円を受けましたが、国内正常の悪化が弊害となり、売り上げは伸び悩んだものの、顕著な結果が出てきたのです。

結果として、Fruiteqの事業のおかげで830のマンゴー事業者の収入が43%増加したことがわかりました。2012年にはマンゴー事業主一人当たりの平均収入が約8万円となり、国内のみでの売り上げよりも約25000円高いことがわかります。また、ブルキナファソの平均GNIが約6万円であることを考えると、新たな収入額の規模が目の当たりできます。

売り上げの増加は事業者を経済的に豊かにしただけでなく、社会的にも地域に恩恵をもたらしました。Fruiteqは、売り上げを使ってポータブル井戸の設置により地域の3000人に飲料水が確保されたり、救急車を設けたことで隣接地域の50000人が緊急事態に医療サービスを受けることができるようになりました。

上記のRoot Capital選定基準の通りですが、Fruiteqが市場への窓口となったことで、オーガニック・フェアトレード認証を受けた質の高いマンゴー(インプット)を売る農家にとって、安定した市場へのアクセスができ(アウトプット)、プレミアム価格で売ることができ(アウトカム)、それが収入の増加に繋がり(アウトカム)、地域に社会的恩恵が見られた(インパクト)ということになります。

 
こういった社会的インパクトがますます広まるよう、ARUNも今まで以上に邁進してまいります。皆さまの応援をどうぞ宜しくお願い致します。

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