【イベントレポート】BookMyBai(ブックマイバイ)を迎えた起業家イベントの様子をお届け!

こんにちは!インターンの後藤です。

2022年1月29日(土)に、今年最初のオンラインイベント・起業家シリーズを開催しました。
今回は、インドで家事労働者向けITサービスを手がけるブックマイバイより、アヌパム・シンハルCEOをお招きしました。

さて、本ブログでは今回の起業家シリーズに関するイベントレポートをお届けします。

「そもそも起業家シリーズって何?」
「どんな内容のイベントだったの?」

など、

このレポートを読んだ方が、起業家シリーズ、そして何より、途上国で活躍する社会的起業家に関心をもっていただければ幸いです。

 


目次

ARUN起業家シリーズとは?

認定NPO法人ARUN Seedによる、途上国の社会的起業家を紹介するオンラインイベントのシリーズです。

本イベントでは毎回、起業家を招き、起業に至った経緯や、これまでの取り組み、今後の展望などを語っていただいています。

また、ご参加の皆さまからの疑問・質問をもとに、起業家と議論を深める場も設けています。

ご参加いただいた方には、社会的起業家の想いやその取り組みを知っていただき、彼らを支援する社会的投資や、ARUNの活動に参画いただきたいと思っています。

こんな方におすすめ!

  • 途上国✖ビジネスの現場の声を聴きたい
  • 将来はソーシャルビジネスや起業をしたい
  • 途上国支援に関わる人とつながりたい
  • ESG投資やインパクト投資に興味がある

 など、少しでもピンときた方におすすめです。

今回のイベント概要

【名称】認定NPO法人ARUN Seed 起業家シリーズ
   「公正なはたらく場を。変わるインドの家事労働サービス」

【日時】2022年1月29日(土) 15:00~17:00
【実施媒体】Zoom
【参加者】25名

インドの家事労働者は劣悪な環境に置かれている

ーーイベント前半部では、アヌパムCEOよりブックマイバイの事業概要をプレゼンしていただきました。

アヌパム 近年インドは大きく発展しました。しかし、それでも10人のうち3人は貧困層に属しています。つまり1日1ドル以下で生活している人が依然多くいるのです。

貧困層の人々は、どうやって食い扶持をつないでいるのでしょうか?公式の統計によると、2,690万人の子どもたちが児童労働に従事しています。300万人の女性は売春せざるを得ない状況にあります。そして貧困層のうち、特に女性の働き口の一つとなっているのが、家事労働です。

インドの家事労働の現場には多くの問題があります。一つは、法的な契約を結ばないまま働かせられ、長時間労働や不当な低賃金がまかり通っていることです。また虐待や差別など、働き手の尊厳を貶める事態も起きています。自宅と働き先の距離が考慮されず、遠くの家庭まで出向かなければならないこともあります。

このように家事労働に携わる女性たちは、恵まれない環境に置かれているのです。

インド初の家事労働×ITサービスで課題に挑戦する

アヌパム 私はコンピューターエンジニアとしてキャリアをスタートし、これまで複数の起業を経験してきました。ブックマイバイは2015年、家事労働環境の改善と、女性の社会的地位向上を目指し創業しました。ちなみにブックマイバイの「バイ」は、ヒンディー語で「家政婦」を意味します。

ブックマイバイは、インド初となる、家事労働者と雇用主をマッチングするITサービスです。労働者の情報や雇用条件をデータベース化し、雇用主へ労働者を派遣しています。書面による契約締結のサポートも実施しています。コストは雇用主が負担するため、労働者は無料で利用できます。

ブックマイバイは多くのインパクトを生んでいます。利用した家事労働者は、前職よりも平均で給与が40%増えました。法的な労働契約の締結は、労働時間の是正と、搾取や虐待から労働者を守ることに貢献しています。現在、派遣成約数は2.5万件、利用世帯数は58万世帯にのぼっています。

私たちが派遣した女性の中には、昇給によって夫の多額の借金を完済できた方もいます。また収入が安定化したことで、子どもの教育費や自宅のローンに充てる余裕もできています。このようにブックマイバイの貢献は、家事労働環境の改善や、女性の社会的地位の向上だけにとどまらないのです。

参加者も積極的に意見交換

ーーアヌパムCEOのプレゼンを受けて行われたブレイクアウトセッションでは、少人数のグループに分かれ、参加者の皆さまどうしで意見交換していただきました。

私のグループには、実際に途上国開発に携わる方や、インドのビジネスに関心のある方などにご参加いただきました。

皆さま、それぞれの観点から疑問やご意見を交換していただきました。

話が尽きないあっという間の10分間でした!

強みはカスタマーサービス

ーーイベント後半には、アヌパムCEOとARUN代表功能のトークセッションが行われました。

功能 皆さま、ブレイクアウトセッションお疲れ様でした!たくさんの鋭く大切な疑問・質問をお寄せいただき、ありがとうございました。アヌパムCEOに訊いていきたいと思います。

ブックマイバイは同業態としてはインド初とのことですが、現在は競合他社もいますよね。どう差別化を図っていますか?

アヌパム 私たちの強みは、カスタマーサービスが充実していることです。ブックマイバイのサービスは、労働者と雇用主のマッチングを最適化するだけではありません。例えば、労働者の不測の事態に対応できるよう、24時間365日のエマージェンシーコールを運用しています。また、労働者は無料で利用できるという点も、他社にはない魅力だと思います。

一方でインドは広大なため、ブックマイバイだけで全土を網羅することは困難です。現状では、複数の競合他社がいることが、各地域のユーザーのニーズを満たすために必要かもしれません。

功能 カスタマーサービスという面でいうと、雇用主側がブックマイバイを利用するメリットは何なのでしょうか?

アヌパム 家事能力が高く、信頼できる労働者を雇える点にあると思います。ブックマイバイはNGOと連携して家事に関するトレーニングコースを設けており、必要に応じて労働者の能力向上を促しています。またデータベースに登録する際には、事前に労働者を調べ、信頼に足る人物かどうかを判断しています。

ブックマイバイのデータベースは他社と比較しても大きいため、雇用主は数多くの候補者の中から最良な人材を安定して雇うことができるのです。

これからも家事労働者により良い生活を

功能 最後に、新型コロナウイルスの影響について訊きたいと思います。ブックマイバイや家事労働者の方々にはどのような影響がありましたか?

アヌパム ロックダウン(都市封鎖)の影響が大きかったです。家事労働者は働き先の家庭に向かうことができず、労働者の収入が急減しました。貧困層にとっては大きな打撃となり、子どもの教育費や家のローンの支払いが滞った世帯も多く出ました。

当社も収益が低下しましたが、生活に苦しむ家事労働者のために、食料品や生活必需品の供給を行いました。ロックダウンが解除されて以降、最近では徐々に収益が回復してきています。

ブックマイバイの使命は、3,000万人いるインドの家事労働者のうち、少なくとも2,000万人にサービスを届けることです。これからの5年間が勝負だと思います。より多くの家事労働者に、より良い仕事とより良い給与、そしてより良い生活を届けていきたいですね。

ーーアヌパムCEO、そしてイベントにご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました!

登壇者プロフィール

Anupam Sinhal(アヌパム・シンハル)
Founder&CEO – BookMyBai.com

インド出身の連続起業家、コンピューターエンジニア。
2015年、自身三つ目の起業としてブックマイバイを創業。
家事労働者をトータルサポートするITサービスの開発を通じ、
女性の権利向上や生活改善を目指している。

参加者のご感想

ーーイベント終了後、ご参加の皆さまから感想をいただきました。

「気づきの大きな素晴らしいイベントでした」

「とても充実したコンテンツでした。昨今の状況下で新興国のビジネスをライブ感を持って聞けるのはとても刺激になります」

「2時間が短く感じられる充実した内容、進行でした。字幕も入れてヒアリングを助けていただき、ありがたかったです」

「全員最後まで。こんなイベントはなかなかないです。進行も良かったです」


今後の起業家シリーズ

ARUN起業家シリーズは、今後も毎月第4土曜日に開催予定です!

2月26日(土)

GGateway(パレスチナ自治区ガザ地区)
Bassma Ali / Founder & CEO
ITアウトソーシングによってガザ地区の若者に雇用を創出する社会的企業です。

3月26日(土)

Janitri(インド)
Arun Agarwal / Founder & CEO
自社開発のアプリによって、妊婦の遠隔診療を支援する社会的企業です。

 

今回ご参加いただいた方はもちろん、ご参加が叶わなかった方にも、次回お会いできることを楽しみにしております。

詳細は追ってARUNのホームページ、SNSでお知らせいたします。どうぞお楽しみに!