こんにちは、インターンの塚田です。

2021年8月28日(土)にCSIチャレンジ3の優勝企業、Du Anyam(ドゥ・アニャム)の報告会を、ドゥ・アニャムジャカルタオフィス、商品を作る編み手さん達が暮らすフローレス島とつなぎオンラインで開催しました。

【開催概要】

日時:2021年8月28日土曜日 午後15:00開始

登壇者:
ドゥ・アニャム:Azalea Ayuningtyas(CEO・動画内出演)、Hanna Keraf(co-founder)、Melia Winata(co-founder) フローレス島の編み物職人:Yuliana Lete Wotan、Maria Gabriela Tuto Kerans

ARUN Seed:功能聡子、大久保明日奈
開催方法:オンライン
参加費用:1,000円
※クラウドファンディングでご支援いただいた皆さま、ARUN Seed会員の皆さまは無料

報告会ではCSIチャレンジ3を振り返った後に、ドゥ・アニャム側の現状報告が行われました。

収入向上が女性の地位向上にも貢献、ドゥ・アニャムの取り組み

ドゥ・アニャムはインドネシアの女性職人をマーケットに繋げ、女性をエンパワメントする社会的企業です。

現在12の地域で、1200人以上の女性職人と働いています。また、高品質な製品を400以上のホテルや企業などのクライアントに届けており、その結果、平均して職人の収入は40%増加しました。

当初、現地の女性の収入は週10ドル程度しかなく、生活のために他国やインドネシアの他の地域に出稼ぎに行かなければならない状態でした。そのため、伝統的な編み物の技術が失われる恐れがありました。ドゥ・アニャムが編み物技術とマーケットを繋げたことで、彼女らに収入の増加をもたらし、技術の継承にも貢献しました。

同社の収入源は主に

①国内外リーテール、観光業者等に対するドゥ・アニャムブランドの商品販売

②零細生産事業者へのビジネストレーニング

③Krealogi(サプライチェーンを管理できるアプリ)に関わるFintechなど、提携事業者からの手数料、並びにサブスクリプション料

の3つがあります。

現在、政府・企業のCSR部門・NGOとのパートナーシップを活用し、Krealogiユーザーとなり得る零細生産事業者を発掘し、ユーザーを拡大すると同時に、ビジネストレーニングを提供しています。また、クラフトについては、現在大手グローバルリーテールと商品の納入交渉が最終段階にあり、さらなる販路の拡大が期待されます。

現地の編み手の皆さんによるかご網の実演も

後半には、原料となるヤシの葉を採取するところから、裁断、乾燥、植物染料による染色を経てかごを編む過程や、現地の生活を映像で紹介。フローレス島の編み手さん達による、実際のかご編みの実演も行われました。

元々かご編みは現地の文化であり、祖母から母、母から娘に伝える技術であったものの、収入源ではなく、娯楽とされていたそうです。そのかごをドゥ・アニャムが商品として世界の市場に売り、女性が担っていた農業だけでは得られなかった安定した収入をもたらしました。このことが現地の女性の地位の向上に大きく寄与しており、このビジネスの社会的インパクトを再確認することが出来ました。

活動に批判的な人々に対しても動じない姿勢に感銘、創業者のQ&Aセッション

イベントを通して、社会の課題に立ち向かう若い起業家に話を聞くことができ、学生である私にとって学ぶものが多く刺激になりました。全体を通して、社会的企業家の熱意や悩みを感じることができる時間となりましたが、特に印象深かった創業者とのQ&Aセッションについて少しご紹介したいと思います。

ドゥ・アニャム創業者の二人であるハナとミリアとのQ&Aから感じたのは、良いコネクションを持つ大切さと、結果で示すかっこよさです。社会的企業を持続的に運営する秘訣として、自分たちの理念に共感してくれる人々の存在を上げていました。伝統手工芸という多くの人が馴染みのない分野で女性のエンパワメントを目指すため、時には批判も受けます。しかし、展示会やセミナーへの参加を通して知名度を徐々にあげ、インドネシアの大統領に招待を受けるまでに成長した過程に、感銘を受けました。

加えて、活動に賛同していない人々に対しても動じず、活動を通して、利益という目に見える結果を提示することで共感を得てきた姿勢に、刺激を受けました。特に、職人さんの夫たちの「女性が働くことに対しての批判的な意識」が一変し、サポートするために家事を手伝うようになったエピソードが印象的でした。ドゥ・アニャムの利用者は収入が平均して40%増加したというデータがあります。無理に説得しようとせず、活動を通して納得させることに魅力を感じました。

その場で現地の職人のインタビューなども行われており、貴重な体験談を聞くことができました。伝統的な織物の継承が村に人々にとってどれだけ大切なものかを受け取ることができ、ドゥ・アニャムの活動の偉大さを身にしみて感じました。

オンラインを活用して、目に見える関係を

最後に、イベントにご参加くださった皆さまからの声をご紹介します。

“とても聞いていて面白かったです。私が知っている世界はまだまだ小さいと気づかされました。世の中には様々な課題がたくさんあって、それを解決しようとしている人たちがいること、どのように解決しているのかを学べたことが大変勉強になりました。”

“現地の編み手さんとZOOMで繋いだのが素晴らしかったです。”

ドゥ・アニャムの事業の詳細が分かるだけではなく、事業の責任者や裨益者の生の声を聴き、このような「目に見える」関係を支援者との間に築けたのは良かったです。”

クラウドファンディングの開始から1年2か月にして、ようやくご報告の場を持てたことをうれしく思うとともに、ご支援いただいた皆さまに改めて御礼申し上げます。

本イベントを通じて、投資先の状況を伝えるだけではなく、どのように現地の利用者のメリットになっているのかを生の声として紹介することで、支援者の方々と投資先企業との結びつきを強くできていれば幸いです。今後も社会的起業家と皆様を繋げるイベントを開催する予定です。

引き続き、ご支援・ご協力のほどよろしくお願いします。