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10月22日、ARUN、JICA、日経BP共催の第3回国際シンポジウム
「途上国ビジネス成功の条件」を開催致しました。

インドの社会的投資ファンド Aavishkaar 会長ビニート・ライ氏、
シンガポールで社会的投資の上場市場組成に取り組む shujog 理事ルビー・シャン氏、
そして、途上国ビジネスに挑む日本企業の方にご参集いただき、
200名以上の方々にご参加いただきました。

参加者、関係者の皆さまに深く御礼申し上げます。

第3回を迎えた今回の国際シンポジウムでは、
ビジネスによって途上国の長期的な社会的課題解決を目指す
企業・投資機関・支援機関の幅広い方々が集い、その成功の条件を探りました。

現在、世界人口の約7割を占める年間所得3000ドル未満の貧困層市場は、
国内市場の縮小と共にグローバル化が重要な課題となる日本企業にとって非常に魅力的であり、
また、日本企業の資本・技術・人材は、途上国に散在する多様な社会的課題を解決する手法として
大いに求められています。

途上国ビジネスに挑み続ける企業の方々から具体的な事例を伺うなかで、
その成功のための条件が見えてきました。

大きく3つのポイントを、事例と共に考察致します。

第1に、途上国に散在する多様な社会的課題や貧困層のニーズを的確にとらえ、
企業が有する資本・技術・人材を用いて、ビジネス手法による解決を模索すること。

今回ご登壇頂いた味の素株式会社は、アフリカのガーナで、
離乳期の乳幼児向け栄養改善プロジェクトを行っています。

ガーナの貧しい農村部では、低身長・低体重といった乳幼児の発育不全が深刻な課題となっています。
これは、ガーナの一般的な離乳食KoKoに、子供の成長に必要なタンパク質や栄養分が不足しており、
成長の遅れを引き起こすためです。

この課題に注目した味の素社は、KoKo に添加する栄養サプリメント「KOKO Plus」を開発し、
1袋約8円という低価格での販売を開始しました。1袋で乳幼児1日分の栄養が補えるこの製品は、
離乳期の栄養不足による成長不良という課題解決に大きく貢献しており、
自分達の手に入るもので子供達の健康を守りたいというガーナの人々のニーズに合致するものとして、
広く愛されています。また、慈善活動ではないビジネスとして、
長期的なガーナの発展に寄与しています。

第2に、企業、政府、支援機関の枠組みを超え、多様な人々とのパートナーシップを構築すること。

今回ARUNと共に主催側として登壇されたJICAは、
途上国ビジネスを行う日本企業のサポートに携わり、
国内外の企業、政府、支援機関をつなぐ場を提供しています。

それまでの常識が全く通用しないことが大きな障害となる途上国市場において、
現地を良く知る人々との連携は、日本企業にとって欠かせないと言います。
特に、現地の貧困層にとって、対象の製品やサービスのコンセプトが
新しく馴染みが無いものである場合に、現地の政府や支援機関とのパートナーシップ構築による
市場開拓の重要性を強調されていました。

例として、JICAは、ウガンダでアルコール消毒薬の普及事業を行う
サラヤ株式会社のサポートを行っています。

サラヤ社は、感染症予防に対する認識が低い現地の医療施設を対象に市場を開拓するため、
同様に現地の衛生改善に取り組む現地の保健省や国際NGOと連携し、
アルコール消毒薬の有効性に関する啓蒙普及活動を行っています。

このパートナーシップ構築により、サラヤ社のアルコール消毒薬は広く普及し、
ウガンダにおける感染症予防に大きく貢献しています。

第3に、現地の人々をビジネスにおける大切なパートナーとみなし、彼らと共に歩んでいくこと。

ARUNは、ソーシャルビジネスを通じて自国をより良くしたいという意欲を持つ
カンボジアやインドの貧しい起業家に、日本から投資という形でのサポートを行うことで
彼らの自立をサポートすると共に、経営のサポートを行うことで彼らと長期に渡って
共に歩むことを目指しています。

投資先企業を選定する際には、独自の社会的インパクト評価を行うことで、
社会と共に繁栄することを目指す企業を的確に判断しています。

例えば、ARUNの投資先であるカンボジアのヘア・エクステンション製造販売会社、
アルジュニ・インターナショナルは、製造から流通までを全て1社で行い、
そのバリューチェーンで積極的に現地の弱い立場にある女性を採用することで、
女性のエンパワーメントに大きく貢献しています。

その中には、家庭内暴力、強制売春、人身売買の被害者となった女性も含まれており、
彼女たちが自信と尊厳を取り戻して力強く生きていくための大きな役割を担っています。

ARUNでは、今後も、社会と共に繁栄する企業への投資を通じ、現地の人々と共に歩んでいきます!

以上、今回の国際シンポジウムの題材である「途上国ビジネスにおける成功の条件」を、
企業の事例と共に考察させて頂きました。

ご参加頂いた全ての企業・投資機関・支援機関の方々が、
崇高な目標の下、素晴らしい活動をされており、日本企業が有する可能性に圧倒されました。


また、社会的投資が、途上国ビジネスの新たな切り札として
高い注目を集めていることを実感すると共に、今後の更なる広まりに期待が膨らみました。
ARUNでは、国際シンポジウム開催に際し、インパクトレポートを発行致しました。
途上国における社会的投資の効果の大きさ、カンボジアやインドにおける社会的企業の調査・選定方法、

ARUN独自の現地に密着して培った投資ノウハウ等を含む、
5年間のARUNの活動が詰まっています。是非ご覧下さい。

皆さまの温かいお気持ちに心より感謝致します。

今後とも、よろしくお願い致します。

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