Acumen
【設立背景】
Acumenは、Rockefeller財団、Cisco Systems財団、そして慈善事業家3名が中心となり、2001年にアメリカで設立された非営利のグローバルベンチャーファンドです。
社会的経済的に不利な立場にある低所得者層を含む世界中の全ての人々を、他人としてではなく、ひとりひとりが幸せを得る機会を持つグローバル社会の一員とみなし、サポートしていくことを目的に運営を開始しました。
「哀れで無力な貧しい子どもたちには、あなたのお金が必要です」と訴える従来のやり方では貧しい人と富める人との間に距離をつくるだけであり、個人が持つ力や可能性に目を向け、全ての人々がチャンスを得られる場をつくるべきだという考えから、単なる寄付ではなく、社会的事業への投資を行っています。
【組織概要】
Acumenは、企業や財団から集めた慈善寄付金を、貧困問題を解決する手法の変革に挑む、企業、起業家、アイデアに投資しています。出資のほか低金利での融資も行い、戦略立案を助けたり、顧客や重要人物を紹介するなどの人的支援も提供しています。
投資先を選定する際には、主に以下3つの側面を重視しています。
1起業家に志やリーダーシップがあるかどうか
2事業モデルが持続可能かどうか
3成長の潜在力があるかどうか
そして、社会的事業への投資から得たリターンは、新たな事業に投資することにより、世界中で社会的投資の規模を拡大し続けています。
【実績】
Acumenは、地球上のすべての人々が安全な飲料水や住宅などの基礎的サービスを享受し、自分の力で人生を選びとることができる社会をつくることを目指し、「農業・教育・エネルギー・健康・住宅・水」等の幅広い分野の社会的事業への投資を行っています。
これまでに、雇用の創出や改善、貧困層に求められる商品やサービスの供給を通し、世界で1億人以上の人々の生活改善に貢献してきました。
大きな成果を挙げた実例として、住友化学社が開発したマラリア予防用・防虫蚊帳「オリセットネット」を生産するタンザニアの「A toZ」社があります。
Acumenは、2002年、「A toZ」社に対し32万5000ドルの融資(全額完済)をしました。
住友化学社による技術の無償供与のおかげで、「A toZ」社は年間1000万ネットに迫る生産力を持ち、現地で6000人の雇用を生み、年間3億人が感染するマラリアの予防、そしてアフリカの発展に大きく貢献しました。
〈出典〉