2030年までの持続可能な開発目標(SDG)は、いわゆる「発展途上国の課題解決」ではなく、国際社会全体の普遍的な開発目標であると言われています。社会資本、経済資本、自然資本の蓄積を提唱する17からなるSDGの達成は容易ではなく時間や膨大な予算を要します。

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そんな壮大なSDGの達成には2030年までに約173兆ドルが必要だといわれており、1年間で計算すると、年間約3兆ドルに上るそうです。しかし、UNDPと世界銀行(WB)の総予算を合計しても年間130億ドル程度であり、国際機関だけではSDGの達成は程遠いのが現実です。

しかし、それに比べるとビル&メリンダ・ゲイツ財団は、年間280億ドル相当 – 上記のUNDPとWBの年間総予算の倍以上 – を寄付にまわしているそうなのです。WBによると、フィランソロピー財団と世界各国政府の開発援助予算を合計すると年間4290億ドルにのぼりますが、2014年から2年間連続で減少傾向にあるそうです。この連続減少は過去30年に見られなかったものだそうです。資金動員はますますSDGの達成に不可欠なテーマですね。
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だからこそ民間の資金が必要だといわれている今。

2000年に始まったGAVI Allianceなどを含め、UNDPでもSocial Impact Fundが立ち上げられ今や国際機関も民間の資金動員の一つとして、社会的インパクト投資に目を向けています。

インパクト投資の投資先

さて、SDGの資金動員という観点でインパクト投資に目を向けてみると、GIINが毎年発表するインパクト投資家に関する年次調査報告書が少し役に立ちます。今年5月に発表されたこの報告書によると、インパクト投資の投資先として、半分に近い40%が北米に集中していることがわかりました。 (以下グラフ参照)
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調査対象者の46%は北米、32%が北・西・南欧をベースとしたインパクト投資家。調査基準は、過去10億ドル以上の資金をインパクト投資に費やしている、もしくはインパクト投資プロジェクトが5つ以上ある投資家、または両方、としています(計209)。そのため、この調査対象者はSDG達成に大きく貢献する資金動員が可能なインパクト投資家として見ることができます。

調査対象者の58%が営利目的のFund Managerであり、中でも市場利益率を期待している投資家は32%、そしてそれ以下でもよいとしている投資家が38%でした。

(注:投資規模や種類によってこの比率は異なるため、詳細に興味のある方はレポートのIX、XI、XVII、21ページをご参照下さい。)

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また下図を見ると主な投資先のセクターとして、マイクロファイナンス、エネルギー、そして住宅供給が多いことがわかります(外れ値抜き)。それに対し、なかなか投資対象となりにくいのは芸術や文化なようです。

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以上の点を参考にすると、インパクト投資を利用してのSDG達成が、現時点で見込めるセクタートレンドや国別投資先(特にSDG 7, 10, 11, 17 等)が少しわかります。また、今後更に資金動員が必要な部分も垣間見れますね。

社会的なインパクトを残したいという志を込めて投資する「社会的インパクト投資家」が今後益々増えていくにつれ、SDGの達成も加速していくでしょう。

皆さんも私たちARUNと一緒に社会的インパクトを作りませんか?

References:

GAVI Alliance:
http://www.gavi.org/about/

GIIN:
https://thegiin.org/assets/GIIN_AnnualImpactInvestorSurvey_2017_Web_Final.pdf

Impact Investment Development Summit:
http://iido.events/

UNDP:
http://www.undp.org/content/sdfinance/en/home/how-to-use-this-toolkit.html

UNDP Social Impact Fund:
http://undp.socialimpact.fund/

UNDP Sustainable Development Goals:
http://www.undp.org/content/undp/en/home/sustainable-development-goals.html

World Bank:
http://www.worldbank.org/en/news/press-release/2017/04/21/remittances-to-developing-countries-decline-for-second-consecutive-year