Oiko credit
<設立の背景>
Oiko Creditは1974年にオランダのロッテルダムで創設されました。世界キリスト教協議会が、銀行預金が戦争や環境破壊などに関与する企業に融資されていることに反対して、社会的に有意義な資金活用を行おうとしたことが発足の背景です。「開発協力のための協同組合」のかたちを取っており、世界各国の教会や団体およびオイコクレジット支援組織(サポート・アソシエーション)が組合の出資者として参加しています。
<組織概要・実績>
Investment in People (人々への投資)
オイコクレジットの基本的任務は、貧困や困難の中にあっても自立に向けて地道に努力を続けている人々に対し、寄付ではなく投資によって支援することで、資金融資や投資をおこなっています。融資対象団体や事業については、社会的公正や意義を重視した選択基準を設けています。
以下の4つが主な投資分野です。
- マイクロファイナンス
近年ではマイクロファイナンスへの最大の融資機関として知られており、プロジェクト資金の70%がマイクロファイナンス実施NGOなどに向けられています。
- フェアトレード
生産者に対する公正な支払い、反児童労働、長期取引、環境を考えた持続可能な生産方法を促進するフェアトレード組織に対して、中長期的な融資などを行っています。
- 農業
個人農家は収入が一定でないために資金調達が難しく、また天候に強い作物や先端の知識に乏しいために大規模農業との競争に負けがちですが、マイクロファイナンスや生産者組織に対する資金援助を行うことで地域経済の発展やコミュニティの強化を促しています。
- 再生可能エネルギー
低所得国における太陽光発電、小規模水力発電、バイオマス発電などの再生可能エネルギーによる発電プロジェクト、また省エネプロジェクトに対して融資・資本参加を行っています。
再生可能エネルギーにより発電し送電網につなげるプロジェクトも、また分散した電力消費地で小規模な発電を行うプロジェクトも手がけています。
資金の流れを変える
世界には、今直ちに必要としないために市民が銀行などに預金している多額の資金がありますが、それらは兵器産業や環境汚染産業に回ってしまってしまうかもしれません。そのような資金を、「人々への投資」に向けるよう世界の市民に呼びかけ、「社会的責任投資」ができるルートを確立することも、オイコクレジットの重要なミッションです。短期的には資金の回収が不可能でも長期的に見れば可能な事業に対しては、融資ではなく資本参加をすることもあります。