ARUNの投資の最大の目的は、投資先事業の背景やその意義に立ち返り、起業家が事業を通じて社会にどんな変化をもたらそうとしているかを深く理解し、投資という形でそのチャレンジを共にする事です。

このため、ARUNの社会的インパクト評価の特徴は、起業家もしくは事業そのものの目的を評価枠組みの設計基盤とおき、案件毎にモニタリング指標を設定する、という手法にあります。

途上国のビジネスは往々にして人材不足、技術力向上機会の不足等、ビジネスを行う上でも選択肢が限られた状況で日々の事業決断を迫られています。それに合わせて、評価枠組みは柔軟でなくてはならない、ということも学びました。
投資先企業がやむなく事業計画の調整を余儀なくされた場合に、既存の指標に固執するのではなく、原点に立ち返り、起業家が当事者自身の参照指標として継続して活用したり、軌道修正できる余地があることが重要です。

また社会的成果を期待するあまり、多くの指標を策定することを起業家に望む一方、それが経営負担を強いている場合もあります。そんな中、「べき論」に縛られず、譲れないポイントは何か、本当に大切な指標はどれかを明確にし、合意していく重要性も、お互いの関係性の中で学んだことです。

一方で、何を社会的成果と感じるかは、その受け手が何を期待しているかによって異なっており、主観性と客観性の両方をバランスよく取り入れる方法を模索する必要があります。ARUNもスタートして5年を経過し、投資先の経営力やセクター毎に異なる様々な状況等への理解度が増し、対応能力も蓄積してきました。こうした経験を踏まえた上で、現地と対話しつつ、モニタリングや評価を行う事ができるようになってきました。

ARUNでは、社会的インパクトを測定し、可視化する評価手法を開発しています。
これまでに、国際協力機構(JICA)と協力して、BOPビジネスにおける開発効果評価手法の開発を行いました。

また、2015年に公開したインパクトレポートは、ARUNが設立以来、社会的投資の普及と発展のために、なくてはならない活動として力を入れてきた社会的インパクト評価の5年間の歩みと成果をまとめたものです。皆様からの忌憚のないご意見をお待ちしています。そして、この冊子を手に取ってくださった方が社会的投資に関心を持ち、ARUNにご参画くださること、また社会的インパクト評価の発展のために協働できることを願っています。そして、日本のそして世界の社会的投資のさらなる発展と、新しい社会の構築に役立つことを願っています。

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